ド イ ツ ワ イ ン |
辛口表示「クラシック」・「セレクション」に変更 |
ドイツワインの「辛口」に関する新しい表示法が2001年春にも導入される運びだ。 Qmpクラス以上の辛口ワインに関し「クラシック」 選定された単一畑などを使用する高級辛口ワインには「セレクション」 の表示がそれぞれ導入される。 |
「クラシック」はQmpクラス以上の総称とし、表示は地域レベルまで。残糖度の基準は総酸量の二倍 相当量までで、1g当たり最高15c以下。 「セレクション」は単一畑表示の辛口ワインとのコンセプトで、収穫は「手摘み」のみ。瓶詰めは収穫年 の翌9月1日以降。残糖度は総酸量の1.5倍、最高12c以下。 2003年までは旧表示「トロッケン」(辛口)、「ハルプトロッケン」(中辛口)の表示と併用可。但し、新旧 同時表示は不可。 |
ドイツワインの表示 |
旧表示 | ⇒ | 辛口(新表示) | 甘口 | Q m p |
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アウスレーゼ トロッケン アウスレーゼ ハルプトロッケン シュペートレーゼ トロッケン シュペートレーゼ ハルプトロッケン カビネット トロッケン カビネット ハルプトロッケン |
セレクション (Selection) クラシック (Classic) |
アイスヴァイン トロッケンベーレンアウスレーゼ ベーレンアウスレーゼ シュペートレーゼ カビネット |
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QbA トロッケン (Trocken) |
QbA | ||||
ターフェル ヴァイン (Tafelwein) |
「クラシック」・「セレクション」の主な規定 |
クラシック(辛口) | セレクション(高級辛口) | |
表示 | 生産地域を表示 | 単一畑名の表示を義務付け。 選定した単一畑を5月1日までに 担当機関に届け出。 |
アルコール含有量 | 最低12%で、モーゼル・ザール・ルーヴァーのみ 例外的に11.5%。 |
最低12.2%以上 |
残留糖度 | 最高15g、 総酸量の2倍相当まで |
最高12g、 総酸量の1.5倍相当まで |
収穫量 | 60hl/ha | |
収穫方法 | 手摘みのみ | |
瓶詰め時間 | 収穫翌年9月1日以降 | |
移行期間 | 2003年までは旧表示も可 |
(例) ラベル表示はこう変わる |
Kabinett Halbtrocken | → | Classic | ○ |
→ | Kabinett Classic | × | |
(移行期間は旧表示も許される) | → | Kabinett Halbtrocken | ○ |
Spatlese Trocken | → | Classic | ○ |
→ | Spatlese Classic | × | |
(移行期間は旧表示も許される) | → | Spatlese Trocken | ○ |
※現在国会通過中で変更もありうる。 |
●辛口新表示が導入される背景には、海外市場でドイツウィンのイメージが甘口で定着していることがあげられる。 世界的な赤ワインブーム以降、特に甘口白ワインは市場での存在感が希薄化していることから、「辛口ワインにより 巻き返しを図りたい」というのがその狙いだ。 さらに、「アウスレーゼ」「シュペートレーゼ」といった分類表示は甘口イメージが強く、かねてから「シュペートレーゼ・ トロッケン」などの表示が、消費者はもちろん、流通業者にとっても「紛らわしい」と指摘があったのも事実。 現時点では、各方面から賛否両論はあるが、しばらくは見届けたいと考えています。 |
酒販ニュース・第1374号 2000年12月21日号より抜粋 |